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100文字以上のときに何か言う

モノづくりで負けることは名誉なことかも

負け惜しみというか、精神勝利みたいな感じではある。

でも、わりと本気でそう思う

www.nikkei.com

ドイツの自動車メーカーフォルクスワーゲンドイツ国内の工場が閉鎖を検討だという。ネットでは日本もそうなるのでは?と心配する声が多い。たしかに日本の自動車工場にも閉鎖の波が来るかもしれない。

ただ、そもそも製造業が人件費競争である以上、こうなるのは必然だと思う。自慢の工場が失われて感傷的になるのはわかる。しかし昔の日本で製造業が元気だった時ですら、工場と言えば地方にあるものだった。それは結局のところ製造業は賃金の安さが重要であるということを意味している。

https://x.com/whitebea40/status/1851477699941826741

この方のツイートを参考にすると
業種別平均年収
電気ガス熱水道 747万円
金融保険   615万円
情報通信   599万円
学術研究教育 510万円
製造業    507万円

やはり製造業の収入は低い。ネットを検索すれば、工場勤務で月20万円で手取り15万なんて話はいくらでも出てくる。自慢のMADE IN JAPANといっても現実はこんなもんだ。そして中国の田舎では月5~8万円で一日12時間労働、週6日勤務なんて残酷物語が山のように出てくる。だから日本のメーカーの1/4でものが作れる。

 

参考になる記事を発見したので追記(2024/12/25)

参考になる記事を発見したので追記(2024/12/25)

 

家電は部品点数が少なく構造も簡単なので、いち早く韓国や中国に主役が移った分野だ。自動車は家電より部品点数が多く複雑だし、排ガス規制などの参入障壁があったので時間稼ぎができた。しかしEVではそれも出来ずにいよいよその時が来たというわけだ。ドイツに関しては安いロシア産のガスというチートもあったがそれも使えなくなったことも関係しているだろう。これは先進国で製造業の時代が終わることを意味しているのではないか。

自動車以上に部品が多く規制などの参入障壁のある航空機も、いずれは中国メーカーが台頭すると思う。ボーイングの不調はその合図かもしれない。まぁ航空機は安全保障の問題でそう簡単にはいかないだろう。しかし結局は給料と労働時間のチキンレースであることに変わりはない。

もっとも中国も給料は上昇傾向だし若者は工場勤務や長時間労働を敬遠しがちだという。いずれ中国も競争力が無くなり、製造の主役は東南アジアやインドやアフリカに移っていくと思う。べつにそれは中国にとって悪い話ではないだろう。次の産業に移る合図だと思えばいい。

アメリカは40年前からゆっくりと製造業中心の国家からITと金融を軸とする経済に移行したが、日本はモノづくり立国という幻想から抜けだせず失われた30年になった。そしてモノづくりが復活しないどころか、ITですら中国に抜かれ、金融も香港やシンガポールに勝てずにいる。結果、製造業もITも金融も強くない国になってしまった。

昔、似たような記事を書いた。

a1ue0.hatenablog.com

この時と結論は変わらないのだが、将来、日本製が残ってる状況は不名誉なことかもしれない。「日本に工場を建てます!なぜなら日本人は給料が安いからです。

私はそんな未来が良いとは思わない。