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100文字以上のときに何か言う

AIベンチャーのAIは「しがらみ」を武器にできないよね

どうやって儲けを出すんだろう。

forbesjapan.com

 

AIへの投資が盛んだけど、私は「その投資は返ってくるの?」と余計なおせわを考えてしまう。モノ売りビジネスの問題は、革新的なものもいずれ成熟し価格競争になってしまう事。客は安い商品に簡単に乗り換えてしまう。

それがITの時代では互換性という「しがらみ」を武器できるようになった。MSオフィスやAdobeのソフトがいい例で、客はブルースクリーンを吐き出すWindows95やMSオフィスに対して、文句言いながら使い続けた。なぜなら「みんなが使っているから」だ。今だとXがそうで、問題があってもみんなが使うから他のサービスに簡単には移れない。「しがらみ」がITビジネスでは重要。

AIビジネスはどうなるんだろうか。AIはファイル形式でやり取りはないし、SNS的なつながりもない。今のところ「しがらみ」はない。現にchatGPTからClaudeに乗り換えたという人は多い。PerplexityやGeminiなどの新しいAIもある。その時気に入ったものを使う。いろいろなサービスをはしごできる現状は利用者側からするとありがたい。しかしこれでAIビジネスはうまくいくのだろうか。

AIブーム初期のころは、AIメーカーのAI基盤上にアプリ載りそれが「しがらみ」としてビジネスが拡大していくので、AIで覇権を握ったら大儲けができるなと予想していたが現状はその逆になっている。WindowsやMSオフィスやAdobeのソフトといったすでに「しがらみ」があるソフトを基盤にして、その上にAIが載る構図になっている。AIで新興AI企業が旧IT企業を倒すと思っていたが、いまのところそんな事はなさそうだ。いずれAIベンチャーは、従来の大手IT企業に吸収されてしまうんじゃないか。

そうやって考えると、けっきょく一番儲かったのはツルハシを売ったNvidiaだったなんてオチになりそうだ。

モノづくりで負けることは名誉なことかも

負け惜しみ、精神勝利だと言われたらそうかもしれない。

でも、わりと本気でそう思う

 

www.nikkei.com

ドイツの自動車メーカーフォルクスワーゲンドイツ国内の工場が閉鎖を検討だという。ネットでは日本もそうなるのでは?と心配する声が多い。たしかに日本の自動車工場にも閉鎖の波が来るかもしれない。

ただ、そもそも製造業が人件費競争である以上、こうなるのは必然だと思う。自慢の工場が失われて感傷的になるのはわかる。しかし昔の日本で製造業が元気だった時ですら、工場と言えば地方にあるものだった。なぜなら製造業は賃金の安さが重要であることを意味しているからだ。

https://x.com/whitebea40/status/1851477699941826741

この方のツイートを参考にすると
業種別平均年収
電気ガス熱水道 747万円
金融保険   615万円
情報通信   599万円
学術研究教育 510万円
製造業    507万円

やはり製造業の収入は低い。ネットを検索すれば、工場勤務で月20万円で手取り15万なんて話はいくらでも出てくる。自慢のMADE IN JAPANといっても現実はこんなもんだ。そして中国の田舎では月5~8万円で一日12時間労働、週6日勤務なんて残酷物語が山のように出てくる。だから日本のメーカーの1/4でものが作れる。

 

参考になる記事を発見したので追記(2024/12/25)

参考になる記事を発見したので追記(2024/12/25)

 

家電は部品点数が少なく構造も簡単なので、いち早く韓国や中国に主役が移った分野だ。自動車は家電より部品点数が多く複雑だし、排ガス規制などの参入障壁があったので時間稼ぎができた。しかしEVではそれも出来ずにいよいよその時が来たというわけだ。ドイツに関しては安いロシア産のガスというチートもあったがそれも使えなくなったことも関係しているだろう。これは先進国で製造業の時代が終わることを意味しているのではないか。

自動車以上に部品が多く規制などの参入障壁のある航空機も、いずれは中国メーカーが台頭すると思う。ボーイングの不調はその合図かもしれない。まぁ航空機は安全保障の問題でそう簡単にはいかないだろう。しかし結局は給料と労働時間のチキンレースであることに変わりはない。

もっとも中国も給料は上昇傾向だし若者は工場勤務や長時間労働を敬遠しがちだという。いずれ中国も競争力が無くなり、製造の主役は東南アジアやインドやアフリカに移っていくと思う。べつにそれは中国にとって悪い話ではないだろう。次の産業に移る合図だと思えばいい。

アメリカは40年前からゆっくりと製造業中心の国家からITと金融を軸とする経済に移行したが、日本はモノづくり立国という幻想から抜けだせず失われた30年になった。そしてモノづくりが復活しないどころか、ITですら中国に抜かれ、金融も香港やシンガポールに勝てずにいる。結果、製造業もITも金融も強くない国になってしまった。

昔、似たような記事を書いた。

a1ue0.hatenablog.com

この時と結論は変わらないのだが、将来、日本製が残ってる状況は不名誉なことかもしれない。「日本に工場を建てます!なぜなら日本人は給料が安いからです。

私はそんな未来が良いとは思わない。

青い目問題は自動車業界でもある話


www.goo-net.com

面白い記事だけど、この記事が書かれる背景は怖い。最近よく言われるようになった欧米中心の価値観で断じる「青い目」問題だ。自動車業界でもそれが露呈している。

トヨタVWは良く比較されるメーカーだが、両者の置かれている立場を考えずに「青い目」中心にEVストーリーを消費し比較をする。まずはVWの市場が、欧州と中国にしかないという背景を知る必要がある。

ikikuru.com

トヨタVWは、規模こそ似ているが、売れている地域はかなり違う。
上の記事は2015年のものだけど、VWの売れてる地域は

EVを推してる欧州中国で75%

EV中立の日本アメリカで10%

そのほかで15%

と、欧州と中国に偏っている。そして、その中国市場で地元EVメーカーが台頭してきて、VWはそれに対抗するためにEVに力を入れるしかない状況なわけだ。一方のトヨタ

欧州中国で18%

日本アメリ48%

そのほかで34%

トヨタは世界でまんべんなく売っているので、2030年にEVにするというプランはおかしい話だと分かる。

欧米の市場しか見ていない欧米メディアが記事を書き、出羽守がそれに同調する。アジア、東欧、中南米、アフリカはそこにないのだ。彼らの言う世界とは欧米のことで、あとはせいぜい中国くらいだ。

技術者(理系)の不幸話は、結局のところ文系差別の裏返し

togetter.com

 
「俺たち技術者(理系)は頑張っている。なのに会社、業界、日本がうまくいっていない。それは技術に無理解な文系のせいだ。」 インターネットにはこういう理系不幸話がよく転がっている。実際はどうなんだろうか。理系が文系から不当な扱いを受けているのだろうか。
 
わたしは逆だと思っている。
理系の文系差別が裏にあるのではと思う。都合が悪い部分を他人のせいにする他責な理系達が文系差別を利用して被害者のようにふるまっているのではないだろうか。理系が文系に評価されないというのなら、理系が起業して経営者になればいいのでは?と思うのが普通だ。つまり理系が評価をする側になればいい。無能な文系が牛耳っている業界なのだから、さぞその理系の素晴らしさで無双できてしまうだろう。さぁ大いに暴れてくれ。そして君の下で働く理系は幸せになるだろう。
しかし現実の日本の技術者はいつまでたっても起業せず、僕を拾い上げてくださいと待つだけだ。自慢することと言ったら転職でgoogleに行きましたとか、他人が作った器のなかに入る具材としての優秀さでしかない。器を作る側にはならないのだ。
器を作るやつらを見てみよう
ソフトバンク孫正義(64)はカリフォルニア大学バークレー校経済学部
楽天の三木谷(56)は一橋大学商学部卒業、ハーバード大学経営大学院
DeNA南場智子(59)は津田塾大学学芸学部英文学科
その下の世代でも
サイバーエージェント藤田晋(48)は青山学院大学経営学部
と文系が多い。
だからあんなに無能扱いしている文系にいつまでたっても勝てないのだ。いかにも日本の理系という感じだ。恋愛だって美少女が空から降ってこないか待ってるだけだ。だから上にリンクを張ったまとめの技術者君たちも評価してくれないからソシャゲ作ってると他責をぶん回している。
 
この話をオタク業界として見ると、現場vsスーツの関係と似ているなと思う。
漫画業界でも漫画家という現場を評価するオタクが、ドラゴンボールの編集をしていた鳥嶋さんがたまにインタビューをうけると「裏方がでしゃばるな」とキレる連中が多い。漫画家から手柄を横取りする奴らみたいな扱いだ。
日本人は編集者よりも漫画家を評価したがる傾向にある。だからオタクは編集者を知らないし知ろうともしない。ジャンプ初代編集長の長野規ですらかなりのコアなオタクじゃないと知らない。それはオタク達が仕組みを作る人たちを全く評価してこなかったからだ。
アニメ業界でも同じことが言える。岡田斗司夫のように話術に長けて企業から資金を引っ張ってきた敏腕は叩かれる対象だ。「口がうまいだけのくせに偉そうにするな」とオタクはプロデューサーを叩いてきた。オタクイズデッドで岡田斗司夫は、昔と違って今はオタク=ただのコミュ障みたいになってしまったと語っている。
 
だから現場vsスーツになるのだと私は思う。
そしてアニメ業界はみんなして現場に引きこもる陰キャ集団になってしまい、だれもアニメーターに金を引っ張ってこなくなり、金に困っているアニメーターをみて、オタクはテレビ局のせいだ電通のせいだと責任を外部化した。理系が文系のせいにするように。
とはいえ希望もあって、君の名はで中村元気が、鬼滅の刃で高橋祐馬が注目されるようになった。もっとも、注目したのはビジネス系メディアで、アニメが世間一般に受けたから、ビジネスメディアがプロデューサーに焦点をあてて取り上げたからだ。コンテンツが一般受けすると、まともなメディアがまともな視点をオタク業界にそそいでくれるのだなと感動したのを覚えている。ちょっと前にオタク系メディアがけものフレンズ騒動での失敗をカドカワ側に責任を押し付けるようなゴシップ記事を書いていたが、見習ってもらいたいものだ。
これがITや工業の分野になると理系vs文系、技術者vs経営者になるわけだ。ビジネスモデル軽視、マーケティング軽視が、結果的に技術者に給料も払えない状態になってしまう事がわかってない。わかってしまうと自分達の理系>文系のヒエラルキーが崩れるからだろう。
難しいことしてるから偉いんだという技術マチズモみたいなものがある。アニメオタク界隈でも写実的なキャラがよく動く攻殻機動隊のようなタイプを好むオタクが、動きのすくない日常萌えアニメを叩いている。
技術と金儲けの関係は、有るといえば有るが、無いといえば無い。その程度のものでしかない。あればより効果的ではあるが、本質ではないので必ずしも必要なものではない。厄介なのは萌えアニメ好きの中にも技術マッチョはいて、実は萌えアニメもレベルが高いことやってるんですよなんて理屈が大好きな連中もいたりするから地獄だ。最初にリンクをはった「ソシャゲってじつは凄いんですよ」なロジックを展開している連中もそうだ。
たしかに萌えにも技術はあるだろうし、ソシャゲにも技術はある。京都アニメーションのアニメはよく動くので世間を魅了した。しかし、この手の技術マッチョが技術を軸にしている背景にあるのは、技術すごい論で言い返さなければ、現場が偉いという設定が崩れてしまうからだ。
理系>文系、現場>スーツのヒエラルキーが崩れてしまう。だから楽に金稼いでるといわれるとカチンとくるわけだ。
技術に頼らずスマートにお金を稼ぐ人たちという評価の何が問題かというと、憎いスーツ野郎を利することになってしまう。いかにも苦労することが偉い日本人といった感じだ。結局のところ勤労でしかアイデンティティが保てないのだ。
技術至上主義は、アイディアとビジネスモデルの軽視になる。いつまでも技術至上主義だとブルースクリーンを頻発させたWindows95がなぜ売れたのかわからない。文章作成ではワードより一太郎の方が優れていたのに、みんなが使ってるからという理由でワードが売れた。ビジネスモデルの勝利だ(まぁあれはただの抱き合わせ販売だろという話ではあるが)。
もちろん技術も大事なことで、今でこそMSは一流の技術者抱えており、ブルースクリーンも頻繁には起こらなくなった。それは資金があるからいい技術者を雇えるようになったという結果の話だ。技術が金を生むし、金が技術を生むことある。だからビジネスモデルを考える文系職を軽視した技術者の嘆きはかなり危険だ。
とくにITビジネスは1g軽くしましたとか、1mm薄くしましたとか、そういった理系的モノづくりスペックビジネスがあまり通用しない世界だ。スタートアップのときは毎秒数万のリクエストをさばく理系の競争よりも、アイディアやビジネスを素早く実現するほうが重要だ。何が大事なのかを知ろうともせず文系職を馬鹿にしている日本の理系が、まわりまわって給料が低くなるのも当然の事だろう。

日本製の消滅を嘆くおじさんが多くて驚く

gendai.ismedia.jp


日本の製造業の不振のニュースは衰退ポルノというか、ネットでは人気コンテンツとしよく消費される。はてなブックマークでも盛り上がる。

「日本の製造業はおわりだ。だから日本は終わりだ」

そんな感じ。

私はそれを見るたびに、どうしてはてブの連中はIT系を仕事にしている人が多いのに製造業に未練があるんだろうと思っていた。しかしここ数年のアメリカのトランプ大統領の言動をみていて、ここにヒントがあると気づいた。説明するまでもないがトランプ大統領はホテル経営者だ。にもかかわらず製造業をアメリカの復活と結びつけて政治を動かしていた。

なぜトランプは製造業にこだわるのか。それはマチズモにあるのではないだろうか。製造業は巨大な工場が立ち並び、男達が大量に労働力として投入される。それが非常にマッチョ思想の人に、偉大な国家の風景として映るのではないか。

それにくらべてITは、椅子に座ってキーボードをカチャカチャとたたくだけの地味な風景だ。マッチョな活力は感じられない。かつて日本ではITは虚業といわれ、理解されなかったことからもわかるように、はたから見ると仕事の内容がわかりづらく、地味だしなめられやすい。「ごめん、ちょろっと修正してよ」なんて気安く修正を依頼されたりもする。五感で感じられる製造業のほうがわかりやすく映えるのだろう。

そういった事情があり、はてブのおじさん達も仕事はIT系だが実は精神的にはものづくりおじさんが多いのではと思う。私は製造業は、多少の例外はあれど終わりかけの産業だと思っている。だから本当の日本の問題は製造業の消滅ではなくて、それに代わるべきだったIT産業を十分に育てなかった事にあると思っている。そっちのほうがよっぽど問題だし嘆くべきだ。

日本にMSやgoogleamazonが生まれなかったこと、そしていまだに日本からそれらを生み出そうとする気概がない事を嘆くべきだ。しかし政治家などが嘆くのはなぜかテレビ製造やスマホで中国や韓国の企業に負けたとか、いわゆるモノづくりの事ばかりだ。あったものが失われたというストーリーはわかりやすいが、最初からなかったものは嘆きようがない。だから考えようともしない。

製造業は終わりだというと「テスラの勢いがすごいぞ」と言う人がでてくるが、私はテスラの勢いは長く続かないと思っている。今のEV市場はほかのメーカーがEVに力を入れてなかった隙間を突いたブルーオーシャン期だ。EV業界が成熟したらコモディティー化して価格競争になる。スマホでいうとHTCみたいなものだ。スマホ初期はまともなアンドロイドスマホがHTCだけだったので勢いがあったが、ほかのメーカーが真剣にスマホ作り始めたら競争力を失った。アップルのようにOSやアプリプラットフォームで囲い込むこともできないので結局中国メーカーに価格競争を仕掛けられて終わる。スマホがそうだったし、アクションカメラのGoproも、ロボット掃除機のルンバもそうだった。結局のところ成熟すれば価格競争になる。つまりそれは人件費というチキンレースだ。

だから、これからは情報産業が重要だ。車では自動運転勝負になると思っている。ここで重要なことは所有ではなく利用での自動運転だ。ホンダがレベル3の自動運転を自慢しているが、自動車メーカー主体の自動運転はどうでもいい。なぜなら自動車メーカーの自動運転は車の所有が前提だ。結局のところ、車を販売するモノ売りという構造は変わっていない。

これから重要なのは、利用が前提の社会だ。そうなるとやはりGoogleなどのITサービス企業が支配するだろう。アプリで配車サービスを呼び出したら無人カーが来てそれに乗る。そういった情報産業ファーストな自動運転が重要になる。車のための自動運転ではなく、移動サービスのための車になる。そういうのはサービスファーストな企業でなければ厳しい。本当の日本の問題は、それを提供できる企業がないことだ、サービス企業に切り替えられずに、製造業を捨てられないからだ。

ちなみにもし日本企業でgoogleに対抗できるならどこだろうと考えると、しいていうならソニーだろう。製造業主体から情報ファースト、サービスファーストになりつつある。ベンチャー企業を別とするならトヨタやホンダではなくソニーが一番近い存在だと思う。ソニーは日本企業には珍しくサービス業への転換に成功した。もちろんハードウェアも作ってるが、おそらくこれからどんどん減らしていくと思うし、デザインやソフトウェアやサービスの提供はソニーが担当するがハードウェアは部品会社に委託するアップルがやってるような業態になるだろう。そのとき、ソニーの車がどこで作られてるかなんてどうでもいい。フォックスコンが作るならそれでいい。メイドインチャイナならそれででいい。製造業はそんな扱いになる。

もちろん例外はある。半導体や軍事など、自国に囲い込まなければいけない安全保障の問題がある製造業だ。しかし基本的には製造業は終わりだろう。そもそも20年後にメイドインジャパンがあるとしたら、それは不本意なことになる。考えの古い人は日本製復活!と言うかもしれないが世界はそのことを笑うだろう。日本人の給料が安いから日本で作っているだけだぞ(笑)と。今の中国のように。

それくらいのゲームチェンジが起きてるというのに、いまだに日本製が消滅するとか嘆いてるミニトランプだらけなはてブのおじさん達には呆れる。

 

参考記事

(第37回)Made in Americaから20年の何たる変化! | 野口悠紀雄の「震災復興とグローバル経済」 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

世界を変えた「アメリカ製造業」たちの現在地 | 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

電気自動車か燃料電池車かなんて議論は、BDかHDDVDかみたいな話で意味がない

世間じゃEVかFCVかトヨタかテスラかなんて議論に必死な人がいる。僕はそんなことより自動運転のほうが重要だと思う。燃料をどうするかの議論は、HDDVDかBDかみたいな争いで、答えはどちらでもなくサブスク動画サイトでしたみたいなオチになる。

モノからコトへ。

モノ時代は、所有の時代と言える。それゆえ所有するステータスとしてのメーカーを気にする。だからベンツだポルシェだといったブランドにこだわる人が出てくる。しかしコト時代は製造メーカーよりもそれをサービスとして提供している企業のほうが重要になる。

実際タクシーやバスや電車といったサービス業界では、日本交通、西武バス、JR、東京メトロ阪神や阪急といった提供企業のほうが客にとって認知されている。それらに車両を提供しているUDトラックス総合車両製作所といったメーカーを知ってる人はマニアだ。同じくタクシーがガソリンではなくLPG(液化石油ガス)で走っていることを知っている人も少ない。

モノからコトに変わるということは、客がモノに対して興味を持たなくなり、メーカーも動力も燃料も、客にとって重要な要素ではなくなるということ。EVかFCVかテスラかトヨタかなんて話よりも、客のスマホにどうやって配車アプリをインストールさせるかのほうが1億倍重要な時代になる。

アニメーターが食えないのは売上をみれば当然の話

 

「日本のアニメがヒットしてもクリエイターにお金が届かないのはなぜか」

というネット記事というか、ブログを見つけてしまったのだが、

 

originalnews.nico

b.hatena.ne.jp

記事に対する私の答えは「寝言をいうな、アニメは人気がないんだよ」だ。

つまり、アニメーターのせい

 

 
それは2016年のアニメDVD・BDの年間の売上を見ればわかる
2016年TVアニメ 上位作品ランキング
(秋) 67,740 ユーリ!!! on ICE
(秋) 17,317 刀剣乱舞-花丸- (5巻/6巻)
(秋) 11,067 DRIFTERS
(夏) *9,436 B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~
(春) *9,227 マクロスΔ
 
アニメも最近はサブスクの時代になってしまったので、まだ円盤が売れてた2016年のデータで話そうと思う。もう一度言うがこれは「年間」売上で「週間」ではない。これは一巻の数字で、1位のユーリは6巻でているので総売り上げは6倍で40万枚くらいだろうか。
アニメのことを知らない他業界のオタクはアニメ市場の小ささに驚くだろう。「週間の売り上げじゃないの?」と。漫画ではワンピースが1巻平均で300万部以上、鬼滅の刃が500万部以上、ゲームではモンハンやスプラトゥーンが300万本、どうぶつの森が600万本を売り上げる。国内だけでだ。なのにアニメは7万弱しか売れていない。
ユーリが特別に売上が小さかったわけではなく、もっと少ない覇権アニメもある。これはまだTOP10だからマシなほうで、今や年間で200本を超えるアニメの本数を考えると、下位作品の売上は数百枚レベルがゴロゴロしているだろう。こんなのでやっていけるわけがない。アニメが人気?どこの話ですか?
アニメはテレビやネットで無料で流れるので、お金のない中高生にもリーチをし、その結果SNS上で話題になりやすい。その話題性を見てアニメは人気があると錯覚する人が多い。しかし話題性がお金を生むわけではないのは考えればわかることだ。
しかもアニメは数人で作ってヒットを生み出すインディー分野があるゲームと違って、低予算の深夜アニメにも100人規模の人手がいる労働集約型の産業だ。他業界のオタクならこんな売り上げではやっていけないと直感で分かる。
アニメ業界の問題がこじれるのは、アニメーター至上主義ともいえるオタクが陰謀論をまき散らすからだ。普通に考えればアニメーターが食えないのは「人気のないアニメを作ってるアニメーターが悪い」で終わるのだが、アニメの多くはテレビ放送によるビジネスモデルが基本なので、アニメオタクはこの構造をスケープゴートにして、責任を外部化する。いわゆる「中抜き」という陰謀論だ。
テレビで放送されているアニメの大多数は、ジャパネットたかたのようにテレビ局の枠を買い取って番組を流して商品購入を促すビジネスモデルだが、どういうわけだかアニメオタクはこの仕組みを「中抜き」という言葉を使ってテレビ局に批判を向ける。
ジャパネットたかたが番組で紹介した商品の売り上げが悪くて赤字になったのはテレビ局のせいだと、責任を押し付けるようなものだ。アイドル事務所も番組の枠を買い取ってアイドル番組を放送しているが、それを中抜きとは言わないだろう。せっせと握手CDを買ってもらえるように頑張っている。
プラットフォーム企業が手数料をもらうのは当然の話で、任天堂ソニーやSteamといったゲーム業界がそうだし、AppleGoogleといったスマホアプリもそうだし、映画における映画館もそうだ。しかしテレビアニメになると、オタクはテレビ局が中抜きをしているせいでアニメーターが貧乏なんだと憤る。けものフレンズ騒動でやたらと陰謀論でひっかきまわしたアニメオタクの厄介さは記憶に新しいが、世間知らずのアニメオタクはテレビ局や代理店、製作委員会を批判をする。
別の問題として多くが原作ものだということも原因だろう。マンガやラノベに頼ると、当然原作者や出版社が権利者になる。ただでさえ少ないアニメ会社の取り分がますます減ってしまう。多くのアニメ会社自前の資金でアニメを作らず、自前のIPでアニメを作らず、プラットフォーマーにマージンを取られ、そしてろくに売り上げがないとなったら、アニメーターが食べていけないのは当然の話だ。
それにしても最近のネット企業への謎の期待は意味が分からない。テレビ会社への手数料を中抜きと呼ぶのに、なぜかNetflixは褒めたたえる。もちろんNetflixで配信するアニメが人気になれば収益が増えるだろうが、そんなのはテレビアニメにしても同じことだ。Netflixが変えるというより人気が出たら収入が増えるという当たり前の話だ。
現に新海誠がそうなっている。あえて中抜きという言葉を使うが、映画館という中抜きがあろうが、東宝という配給会社の中抜きがあろうが、ヒットすれば収入は増える。現状のシステムでも、人気が出ればお金を払ってもらえる。
これはアニメオタクにとって不都合な事実だ。現実はDVDの売り上げランキングでもわかるように、アニメオタクはアニメ自体にはお金を払っていないからだ。無料アニメを見て、ネットで萌え萌えと騒ぎ、無料ゆえの拡散力をアニメの実力だと勘違いし、どこからともなくお金が沸いて出てきてアニメーターに落ちると思い、そしてそれが違うとわかると、テレビ局に怒る。
 
ちなみに、ドラゴンボールのように世界で人気のアニメの場合どのくらいの給料をもらえるのだろうと調べてみた。
有価証券報告書調べで715万円となっている。まぁまぁの金額だ。少なくとも生活が苦しいレベルではないだろう。人気が出ればそれなりの生活ができるようである。他人のIPだろうが円盤に頼らなくても、世界的に人気がでれば食べていけそうだ。東映プリキュアも人気があり、こういうビジネスモデルは強い。やはりアニメーターを救うのはNetflixではなく人気であると言っていいだろう。それでいうと、鬼滅の刃は映画もヒットしたし、おそらくufoにはそれなりのお金が入ってくるだろう。ヒットしたこともそうだけど、なにより制作委員会方式でないのも大きい。分け前が細分化せずに、それなりの割合をもらえているはずだ。その点でアニプレックス高橋祐馬の功績は大きいだろう。
 
行政の問題ではなく、中抜きの問題ではなく、問題に対して行動しなかったアニメ業界に問題があるという事実を重く受け止めるべきだ。任天堂をはじめゲーム業界はクールジャパンと言われるはるか昔に、自力でゲーム機販売からやっている。ゲーム業界がアニメ業界に比べて金まわりがいいのは自分で行動するという意識が違うのではないだろうか。任天堂はハワードリンカーン氏に依頼して違法ソフトを撲滅するために行動した話は有名だ。ゲーム業界は行動する。業界が動くから消費者の意識も変わる。アニメ業界が行動しないので特に外国人は違法動画の視聴を開き直る連中を生み出している。
結局日本の労働問題にもつながる話だが、自分で動かず誰かが何とかしてくれると待ってるだけのアニメ業界の問題であり、ひろくいえば日本の労働問題に共通するものだ。だから「時代はnetflixだ!テレビ局ざまぁw」みたいな話をしたがるオタクをみていると呆れてしまう。中抜きも、他社頼みのIPも、そしてテレビ局を悪者にしてnetflixに期待するのも、アニメ業界の情けない姿でしかない。誰かが何とかしてくれないだろうかという他力本願こそが問題の本質なのではと思う。