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「俺たち技術者(理系)は頑張っている。なのに会社、業界、日本がうまくいっていない。それは技術に無理解な文系のせいだ。」 インターネットにはこういう理系不幸話がよく転がっている。実際はどうなんだろうか。理系が文系から不当な扱いを受けているのだろうか。
わたしは逆だと思っている。
理系の文系差別が裏にあるのではと思う。都合が悪い部分を他人のせいにする他責な理系達が文系差別を利用して被害者のようにふるまっているのではないだろうか。理系が文系に評価されないというのなら、理系が起業して経営者になればいいのでは?と思うのが普通だ。つまり理系が評価をする側になればいい。無能な文系が牛耳っている業界なのだから、さぞその理系の素晴らしさで無双できてしまうだろう。さぁ大いに暴れてくれ。そして君の下で働く理系は幸せになるだろう。
しかし現実の日本の技術者はいつまでたっても起業せず、僕を拾い上げてくださいと待つだけだ。自慢することと言ったら転職でgoogleに行きましたとか、他人が作った器のなかに入る具材としての優秀さでしかない。器を作る側にはならないのだ。
器を作るやつらを見てみよう
ソフトバンク孫正義(64)はカリフォルニア大学バークレー校経済学部
楽天の三木谷(56)は一橋大学商学部卒業、ハーバード大学経営大学院
DeNA南場智子(59)は津田塾大学学芸学部英文学科
その下の世代でも
サイバーエージェント藤田晋(48)は青山学院大学経営学部
と文系が多い。
だからあんなに無能扱いしている文系にいつまでたっても勝てないのだ。いかにも日本の理系という感じだ。恋愛だって美少女が空から降ってこないか待ってるだけだ。だから上にリンクを張ったまとめの技術者君たちも評価してくれないからソシャゲ作ってると他責をぶん回している。
この話をオタク業界として見ると、現場vsスーツの関係と似ているなと思う。
漫画業界でも漫画家という現場を評価するオタクが、ドラゴンボールの編集をしていた鳥嶋さんがたまにインタビューをうけると「裏方がでしゃばるな」とキレる連中が多い。漫画家から手柄を横取りする奴らみたいな扱いだ。
日本人は編集者よりも漫画家を評価したがる傾向にある。だからオタクは編集者を知らないし知ろうともしない。ジャンプ初代編集長の長野規ですらかなりのコアなオタクじゃないと知らない。それはオタク達が仕組みを作る人たちを全く評価してこなかったからだ。
アニメ業界でも同じことが言える。岡田斗司夫のように話術に長けて企業から資金を引っ張ってきた敏腕は叩かれる対象だ。「口がうまいだけのくせに偉そうにするな」とオタクはプロデューサーを叩いてきた。オタクイズデッドで岡田斗司夫は、昔と違って今はオタク=ただのコミュ障みたいになってしまったと語っている。
だから現場vsスーツになるのだと私は思う。
そしてアニメ業界はみんなして現場に引きこもる陰キャ集団になってしまい、だれもアニメーターに金を引っ張ってこなくなり、金に困っているアニメーターをみて、オタクはテレビ局のせいだ電通のせいだと責任を外部化した。理系が文系のせいにするように。
とはいえ希望もあって、君の名はで中村元気が、鬼滅の刃で高橋祐馬が注目されるようになった。もっとも、注目したのはビジネス系メディアで、アニメが世間一般に受けたから、ビジネスメディアがプロデューサーに焦点をあてて取り上げたからだ。コンテンツが一般受けすると、まともなメディアがまともな視点をオタク業界にそそいでくれるのだなと感動したのを覚えている。ちょっと前にオタク系メディアがけものフレンズ騒動での失敗をカドカワ側に責任を押し付けるようなゴシップ記事を書いていたが、見習ってもらいたいものだ。
これがITや工業の分野になると理系vs文系、技術者vs経営者になるわけだ。ビジネスモデル軽視、マーケティング軽視が、結果的に技術者に給料も払えない状態になってしまう事がわかってない。わかってしまうと自分達の理系>文系のヒエラルキーが崩れるからだろう。
難しいことしてるから偉いんだという技術マチズモみたいなものがある。アニメオタク界隈でも写実的なキャラがよく動く攻殻機動隊のようなタイプを好むオタクが、動きのすくない日常萌えアニメを叩いている。
技術と金儲けの関係は、有るといえば有るが、無いといえば無い。その程度のものでしかない。あればより効果的ではあるが、本質ではないので必ずしも必要なものではない。厄介なのは萌えアニメ好きの中にも技術マッチョはいて、実は萌えアニメもレベルが高いことやってるんですよなんて理屈が大好きな連中もいたりするから地獄だ。最初にリンクをはった「ソシャゲってじつは凄いんですよ」なロジックを展開している連中もそうだ。
たしかに萌えにも技術はあるだろうし、ソシャゲにも技術はある。京都アニメーションのアニメはよく動くので世間を魅了した。しかし、この手の技術マッチョが技術を軸にしている背景にあるのは、技術すごい論で言い返さなければ、現場が偉いという設定が崩れてしまうからだ。
理系>文系、現場>スーツのヒエラルキーが崩れてしまう。だから楽に金稼いでるといわれるとカチンとくるわけだ。
技術に頼らずスマートにお金を稼ぐ人たちという評価の何が問題かというと、憎いスーツ野郎を利することになってしまう。いかにも苦労することが偉い日本人といった感じだ。結局のところ勤労でしかアイデンティティが保てないのだ。
技術至上主義は、アイディアとビジネスモデルの軽視になる。いつまでも技術至上主義だとブルースクリーンを頻発させたWindows95がなぜ売れたのかわからない。文章作成ではワードより一太郎の方が優れていたのに、みんなが使ってるからという理由でワードが売れた。ビジネスモデルの勝利だ(まぁあれはただの抱き合わせ販売だろという話ではあるが)。
もちろん技術も大事なことで、今でこそMSは一流の技術者抱えており、ブルースクリーンも頻繁には起こらなくなった。それは資金があるからいい技術者を雇えるようになったという結果の話だ。技術が金を生むし、金が技術を生むことある。だからビジネスモデルを考える文系職を軽視した技術者の嘆きはかなり危険だ。
とくにITビジネスは1g軽くしましたとか、1mm薄くしましたとか、そういった理系的モノづくりスペックビジネスがあまり通用しない世界だ。スタートアップのときは毎秒数万のリクエストをさばく理系の競争よりも、アイディアやビジネスを素早く実現するほうが重要だ。何が大事なのかを知ろうともせず文系職を馬鹿にしている日本の理系が、まわりまわって給料が低くなるのも当然の事だろう。