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自分用のメモなのできれいにまとめてません。

アニメーターの待遇問題が話題になると決まってアニメオタクが中抜きだと怒る

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上の記事を読んで、前からアニメ業界の労働問題について疑問だったことを書こうと思う。

まずはこれ

https://www38.atwiki.jp/uri-archive/pages/260.html
2016年TVアニメ 上位作品ランキング
(秋) 67,740 ユーリ!!! on ICE
(夏) 54,312 ラブライブ!サンシャイン!!
(秋) 32,779 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター (4巻/6巻)
(秋) 17,317 刀剣乱舞-花丸- (5巻/6巻)
(秋) 11,067 DRIFTERS
(冬) 10,912 この素晴らしい世界に祝福を!
(春) 10,383 Re:ゼロから始める異世界生活
(秋) 10,010 ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校
(夏) *9,436 B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~
(春) *9,227 マクロスΔ
(春) *8,612 ジョーカー・ゲーム
(春) *7,909 ハイスクール・フリート
(夏) *7,765 ツキウタ。 THE ANIMATION
(春) *7,503 ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (11巻/13巻)
(秋) *7,079 響け!ユーフォニアム2 (5巻/7巻)
(春) *6,100 甲鉄城のカバネリ
(夏) *5,864 NEW GAME!
(秋) *5,778 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 弐 (5巻/9巻)
(秋) *5,410 夏目友人帳 伍 (3巻/5巻)
(秋) *5,395 ブレイブウィッチーズ (3巻/6巻)
(春) *5,276 文豪ストレイドッグス
(秋) *5,117 文豪ストレイドッグス (第2クール) (5巻/6巻)

 

2016年のアニメDVD・BDの年間の売上だが、これは一巻当たりの平均だ。ユーリは6巻でているので総売り上げは6倍程度で40万枚といったところか。まずアニメ市場の小ささに驚く。漫画ではワンピースが1巻平均で300万部ほどだし、ゲームだとモンハンやスプラトゥーンが200万本売り上げている。ネットではその年話題をさらったアニメを覇権と呼ぶが、それで7万弱しか売れていない。ユーリが特別に覇権アニメのなかで売上が小さいわけではなくもっと少ない覇権アニメもある。アニメというのはテレビやネットで無料でながすので話題性は抜群にあるが、話題になるだけで終わる物が多い。今話題のポプテピピックもどこまでDVDが売れるかわからない。

ゲームの売り上げを見てきた私にはこんな売り上げでやっていけないと思っているし、実際やっていけないから記事になるわけだ。アニメは少数で作ってヒットみたいな分野が残ってるゲームとは違い、人海戦術で大量の人手がいる労働集産業なので、低予算の深夜アニメにも100人規模で人が関わっている。大作ゲーム並みの人数が必要だ。そんなアニメ特有の事情にさらに事情が重なる。それがテレビ放送という仕組みだ。そしてアニメオタクはこの構造をスケープゴートにして、アニメーターを擁護しようとしている。

テレビで放送されているアニメの大多数はジャパネットたかたのようにテレビ局の枠を買い取って番組を流して商品購入を促すビジネスモデルなのだが、なぜかアニメオタクはこの仕組みを中抜きという言葉を使ってテレビ局批判をしている。ジャパネットたかたが番組で紹介した商品の売り上げが悪いとか言ってテレビ局に文句言うようなもんだ。アイドル事務所も、番組の枠買い取ってアイドル番組を放送したりするが中抜きとは言わないだろう。せっせと握手CDを買ってもらえるように頑張っている。

任天堂ソニーやsteamのゲーム業界がそうだし、applegoogleといったスマホアプリもそうだし、映画における映画館もそうだがプラットフォームにマージンをいくらかとられるのは普通のことだ。しかしなぜかテレビアニメになるとオタクはテレビ局の中抜きだと憤るわけだ。けものフレンズの騒動でやたらと陰謀論でひっかきまわしたアニメオタクという存在は記憶に新しいが、結局のところネット住民がいつものようにテレビ局や代理店、製作委員会を批判をしたいだけなのではないかと感じている。

別の問題として多くが原作ものだということがある。マンガやラノベに頼ると、権利者が雪だるまのように膨れ上がってしまい、ただでさえ少ないアニメ会社の権利がますます減ってしまう。さらに年間200本のアニメが作られている乱造っぷりも原因だろう。最初にみせたリストには入らない数百枚しか売れないアニメもある。そんな状況で中抜きのせいでアニメーターが食えないと思っているオタクの認識のずれには頭が痛くなる。

アニメ会社は自前の資金でアニメを作らず、自前のIPでアニメを作らず、自分たちでプラットフォームを作らないのでマージンを取られ、そしてろくに売り上げがないとなったらアニメーターが食べていけないのも当然の話だと言える。

加えて最近のネット企業への謎の期待も意味が分からない。テレビ会社への手数料を中抜きと呼ぶのになぜかnetflixは違うという謎の自信があるようだ。テレビ局が批判出来たらそれでよしとするテレビ批判の目的化した連中からすれば、そのあたり気にするものではないのかもしれない。

もちろんnetflix配信アニメが評判で制作会社の評価が上がればマージンが変わるかもしれないが、そんなのはテレビ放送アニメにしても同じことだ。それでなければ今まで通りで終わるだろう。netflixが変えるというより人気が出たから変わるだけの話だ。その話でいうなら新海誠が現にそうなっている。あえて中抜きという言葉を使うが、映画館という中抜きがあろうが、配給会社という中抜きがあろうが、人気が出たらテレビ放送権料を高く払ってくれる局が出てくる。現状のシステムでもきちんと人気が出ればお金を払ってもらえるわけだ。みんな新海誠になればいいのだ。しかし、それは無理だろう、アニメーターの多くは才能がないから。その現実の不満をぶつけるために中抜き批判というものがあると思っている。アニメオタクはカネも払わず、テレビ局や委員会に怒ることで責任を外部化させることで精神勝利しているわけだ。

ちなみに、ドラゴンボールのように、アニメ会社のオリジナルIPではなくとも世界で人気のアニメの場合どのくらいの給料をもらえるのだろうと調べてみた。
http://heikinnenshu.jp/kininaru/toei-anim.html
有価証券報告書調べで715万円となっている。結局人気が出ればなかなかの生活ができるようである。他人のIPだろうが円盤に頼らなくても、世界的に人気がでれば食べていけそうだ。東映プリキュアも人気だし、こういうビジネスモデルは強いわけだ。やはり救うのはnetflixではなく人気といって良いのではないだろうか。悪いのはテレビ局や委員会や代理店ではなく人気がないことだろう。

 あの記事の真に重要なことは、行政の問題ではなく、中抜きの問題ではなく、違法コピー問題ではなく、その問題に対して行動しなかったアニメ業界に問題があると思っている。任天堂をはじめゲーム業界はクールジャパンと言われるはるか前に、自力でゲーム機販売からやっている。ゲーム業界がアニメ業界に比べて金まわりがいいのは自分で行動するという意識が違うのではないだろうか。任天堂はハワードリンカーン氏に依頼して違法ソフトを撲滅するために行動した話は有名だろう。とにかくゲーム業界はちゃんと行動する。業界が動くから消費者の意識も変わるわけだ。アニメ業界は行動しないことで特に外国人は違法動画が宣伝になるとか開き直る連中を生み出している。ゲーム業界ではありえない意識だ。

行政が優秀ならそれは結構なことだが、結局日本の労働問題にもつながる話だが、自分で動かず誰かが何とかしてくれると待ってるだけの「察してちゃん」なのがアニメ業界の問題であり、ひろくいえば日本の労働問題じゃないのかと思ってしまう。だから「時代はnetflixだ!テレビ局ざまーwww」みたいな話をしたがるオタクをみているととても残念な気持ちになってしまう。中抜きもIPが他社頼みなのも、そしてテレビ局を悪者にしてnetflixに期待するのもアニメ界隈の他力本願が問題だ。